学校ブログ
ICT活用と協働的な学びについて
令和3年4月に函館市の学校に一人一台端末(クロームブック)が配備されてから3年半余りが経ち、すっかり「学習の道具」としてのICT活用が浸透しています。本校の教職員による校内研究では、ICTの活用を取り入れた授業づくりを通して、生徒の主体的・協働的な学びを目指した取り組みを行っています。本ブログでも「授業交流」でいくつか紹介しました。日頃から生徒も教職員も普通にタブレットや大型ディスプレイを使って発表したり話し合いをしたりしています。
先週14日(木)には、3年生の国語で、ちょっと長い小説(魯迅の「故郷」)をわかりやすくまとめるために、個々の生徒がグーグルのジャムボードという機能を使ってキーワードや写真で説明を作成し、発表していました。発表の際も個人のタブレットからキャストという機能で大型ディスプレイへ画面を送り、その表示と言葉で説明を行う協働的な学びに取り組みました。(左端と中央の写真) 右端の写真は教師がさらに別の生徒の発表について解説しているところです。
同じ日の1年生総合では、進路学習の一環で函館市内の高校調べに取り組みました。教師がグーグルのクラスルームという機能を使って調べる内容を提示・説明し(左の写真)、担当別のグループになってタブレットで調べ学習=協働的な学び(右の写真)に入ったところです。どんなまとめになるのか楽しみです。
年末年始の飾りづくりと大掃除の様子です。
令和5年(卯年、2023年)も、残すところ2週間あまりとなりました。本校でも2年S組でクリスマス飾り(サンタクロースのマトリョーシカ)とお正月リースづくり、2年A組では大掃除(学期末の清掃強化週間の一環)を行いました。
サンタクロースのマトリョーシカは厚紙にプリントした型を切り抜き、大・中・小の立体人形を組み立てていました。大を開けると中、中を開けると小のように「入れ子構造」になっています。また、お正月リースは学校裏に自生するツタを何重にも巻いて、そこにトドマツの枝や松ぼっくり、正月飾りをつけて世界で一つのオリジナルリースを作っています。どんなできあがりになるのか楽しみです。
2年A組では、本日、教室内を全員でていねいに掃除していました。窓磨き、掃除機かけ、流し掃除、大型ディスプレイの掃除など、普段の清掃でやらない箇所をきれいにしてくれていました。最近は年末に大掃除をする家の割合は半数以下で、12月に入ってから分割して順番に掃除をするスタイルが多いそうです。本校でも人数の関係で終業式に一斉に清掃はせず、清掃強化週間(18日~22日)で校内を計画的にきれいにする予定です。
道徳の授業の紹介
12月11日(月)に行われた道徳の授業を紹介します。
1年道徳「自分だけ『余り』になってしまう……」
◯内容項目…相互理解、寛容
◯内容の概略
作家の重松清がウェブに寄せられた10代(小中高校生)の悩みに答える形式の内容。
中2女子の好美さんの相談「クラス替えで2人の親友と離れ、調べ学習などで2人の組を作る時に私が余る。1人だけ余った時に恥ずかしくて寂しい。みんなは優しくていい人たちだけど特別に仲が良いわけではないので無理に『組に入れて』と言いたくない。」
重松氏の答え。「自分が中学2年の時、7人で遊園地に行ってボート(2人乗り)に乗った時、自分はパートナーをキープしていたが1人が余ってしまった。その1人は岸辺のベンチに座って、ずっと自分たちに手を振ったりしていた。その1人を見てすごく『負けた感』を覚えた。『あいつのほうがぜんぜん大人だ。』って思った。クラスで余ったりするような体験をいっぱいして、みんなが大人になっていく。『ひとり』は不安定な状態だけど、現実にはどうしようもなくそうなってしまうこともある、と分かっておくのは良いこと。みんなで『余りの一人』を分かち合うようになれれば良いのになあ、って思う。『あ、そうだった、そうだよね。』って言ってくれる人もいるかもしれないよ。」
◯教師の思い
日常学校生活の中でありがちな人間に関係について、客観的な目を持って考えさせたい。「一人になる」ことへの共感や支えたりする気持ちを分かち合ったり、「一人になる」準備時期であったりすることを、自分自身の経験や思いを含めて話し合わせたい。
◯生徒の考え、感想(一部の抜粋です)
・「一人になる」ことについて重松さんは、すごく寂しく、それが悪化するといじめにつながると言っている。
・お互いが認め合って生きていくために、一人ひとりが恥ずかしくないという意識を、みんなで持つことが大切だと思った。
2年道徳「コトコの涙」
◯内容項目…相互理解、寛容
◯内容の概略
中2で花園コトコが老人ホームへボランティアに通っていたある日、同じ部活(魚部)の5人と一緒に老人ホームのホールに作った魚が入った水槽の除幕式を開いた。そんな中、一人背を向け中庭を見つめる入所者の笹岡修三さんに「さあ、みんなと一緒に見ようね。おじーちゃん。」と声をかけた時、同じボランティアのマサシから「ばかっ!修三じいさんは赤ん坊じゃねーんだ!大工の棟梁だぞ!」と叱られた。
その後、コトコが園長の田島に「コトコちゃんは一所懸命にやってる。でも気をつけなきゃならないのは、老人が自由に動けなくなって子どものようになっていくのは、何十年も生きぬいていた立派な老人たちの姿で、意地もあればプライドもあるってこと。私たちがよかれとしていることが、そのままあの人たちの望みではないということ。私もマサシくんに気づかされた。一年もしゃべっていない笹岡さんに、私もどうしてあげたら良いかとばっかり考えていた。」と言われる。コトコは田島の言葉をかみしめ、こぼれる涙はしばらく止まることがなかった。
◯教師の思い
一見、赤ちゃんに返ってしまったようなお年寄りにも一生懸命に生きてきた人生があり、だんだん記憶を無くいていくからといって、それは消えるものではないこと。だから“人の尊厳”を大切にしなければならないし、そのために相手を理解しようと努めることが大切だということ。
◯生徒の考え、感想(一部の抜粋です)
・(マサシがコトコをどなったのはなぜだろう?)笹岡さんの心を無理やりに開かせようとするのでなく、自分の意志で開かせてあげてほしいと思ったから。
・(須藤先生が涙が出そうになった理由は?)コトコの気遣いや優しさ、マサシがコトコに「やめろ。」と言った優しさに感動したから。
※諸事情により、2年生の写真を撮影できませんでした。ご了承ください。
3年道徳「塩むすび」
◯内容項目…思いやり、感謝
◯内容の概略
東日本大震災から2か月、私は祖母、母と三人で避難所生活をしていた。転校先の学校に通う少し前に母に促されて食事係を担当することになった。片付けだけでもめんどうと思っていて、食事係になってもどう動いて良いか分からず、母に当たっていた。食事係の2日目、調理場では最近残菜が目立ってきたことが話題になった。「明日の朝は塩むすびとみそ汁を出しましょうよ」ということになった。私は心の中では賛成しかねたが、翌朝は当番みんなで塩むすびを握った。私も手を真っ赤にして握った。驚いたことに、おにぎりにしたら子どもや大人が自分から取りに来たりおかわりをする人も増えてきた。また私は、目に見えないところでのおばさんたちの気配りに気づいた。自分の知らなかった世界で、初めて考えさせられたことがあった。新しい学校への不安はあるが、食事係で新しい世界を知った私のように、やってみなければ分からないことだってあるはずだ。温かい塩むすびを作った日以来、朝の残菜はほとんどなくなった。
◯教師の思い
「本当の意味の思いやり」とは何か?私たちを支えてくれている人の思いやりに、どのように応えていけばよいのだろうか。思いやりにはいろいろな形があることと、とても大事で、今、自分たちを支えてくれている人(保護者)に、どういう思いやりを返していけばよいのかを考えさせたい。
◯「本当の意味の思いやりとは?」についての生徒の考え(一部の抜粋です)
・誰かのためを思って行動すること。
・支えてくれた人に恩返しをする。
・感謝の気持ちをもつ。
・自分から進んで人のために行動すること。
・人のことを思って行動する。
2年S組で紙漉きを行っています。
泉さんと岩村さんの2人で、牛乳パックから手作りの紙を「紙漉き」の技術を使って作成中です。手順(概要)は、牛乳パックと水、色の紙テープをジューサーで混ぜて溶かし、簀桁(紙すき枠とすだれ)に流して漉き、アイロンで成形し、窓際に置いて乾燥させます。最後の写真にあるカラフルな紙は、色の紙テープでついた色です。和紙のような少し凹凸のついた柔らかい感触に仕上がっていました。私が見に行った日は、既に2~3回目の作業だったこともあり、2人とも実に手際よく作業をしていました。完成した紙は年賀状用に使う予定ということです。
赤い羽根共同募金へのご協力ありがとうございました。
先週1週間、本校で赤い羽根共同募金に取り組み、生徒と教職員合わせて8,034円の募金が寄せられました。赤い羽根共同募金の趣旨は「この町で集まった募金は、この町の困ったことのために使われます。子育て支援や高齢者の配食支援に使われたり、災害支援や地域の見守りパトロールなど、支援する人をサポートする資金として使われています。」と赤い羽根共同募金ホームページに書かれています。毎年12月1日から始まる「歳末たすけあい運動」も共同募金の一環です。
善意を寄せていただいた皆様、ありがとうございました。(写真は12月8日に生徒会の岩村さん、成田さんが職員室へ募金のお願いに来た様子です。)