道徳の授業の紹介

12月11日(月)に行われた道徳の授業を紹介します。

1年道徳「自分だけ『余り』になってしまう……」
◯内容項目…相互理解、寛容
◯内容の概略
 作家の重松清がウェブに寄せられた10代(小中高校生)の悩みに答える形式の内容。
中2女子の好美さんの相談「クラス替えで2人の親友と離れ、調べ学習などで2人の組を作る時に私が余る。1人だけ余った時に恥ずかしくて寂しい。みんなは優しくていい人たちだけど特別に仲が良いわけではないので無理に『組に入れて』と言いたくない。」
 重松氏の答え。「自分が中学2年の時、7人で遊園地に行ってボート(2人乗り)に乗った時、自分はパートナーをキープしていたが1人が余ってしまった。その1人は岸辺のベンチに座って、ずっと自分たちに手を振ったりしていた。その1人を見てすごく『負けた感』を覚えた。『あいつのほうがぜんぜん大人だ。』って思った。クラスで余ったりするような体験をいっぱいして、みんなが大人になっていく。『ひとり』は不安定な状態だけど、現実にはどうしようもなくそうなってしまうこともある、と分かっておくのは良いこと。みんなで『余りの一人』を分かち合うようになれれば良いのになあ、って思う。『あ、そうだった、そうだよね。』って言ってくれる人もいるかもしれないよ。」
◯教師の思い
 日常学校生活の中でありがちな人間に関係について、客観的な目を持って考えさせたい。「一人になる」ことへの共感や支えたりする気持ちを分かち合ったり、「一人になる」準備時期であったりすることを、自分自身の経験や思いを含めて話し合わせたい。
◯生徒の考え、感想(一部の抜粋です)
・「一人になる」ことについて重松さんは、すごく寂しく、それが悪化するといじめにつながると言っている。
・お互いが認め合って生きていくために、一人ひとりが恥ずかしくないという意識を、みんなで持つことが大切だと思った。

12月11日 1年道徳①12月11日 1年道徳②

 

 

 

 

 

 

2年道徳「コトコの涙」
◯内容項目…相互理解、寛容
◯内容の概略
 中2で花園コトコが老人ホームへボランティアに通っていたある日、同じ部活(魚部)の5人と一緒に老人ホームのホールに作った魚が入った水槽の除幕式を開いた。そんな中、一人背を向け中庭を見つめる入所者の笹岡修三さんに「さあ、みんなと一緒に見ようね。おじーちゃん。」と声をかけた時、同じボランティアのマサシから「ばかっ!修三じいさんは赤ん坊じゃねーんだ!大工の棟梁だぞ!」と叱られた。
 その後、コトコが園長の田島に「コトコちゃんは一所懸命にやってる。でも気をつけなきゃならないのは、老人が自由に動けなくなって子どものようになっていくのは、何十年も生きぬいていた立派な老人たちの姿で、意地もあればプライドもあるってこと。私たちがよかれとしていることが、そのままあの人たちの望みではないということ。私もマサシくんに気づかされた。一年もしゃべっていない笹岡さんに、私もどうしてあげたら良いかとばっかり考えていた。」と言われる。コトコは田島の言葉をかみしめ、こぼれる涙はしばらく止まることがなかった。
◯教師の思い
一見、赤ちゃんに返ってしまったようなお年寄りにも一生懸命に生きてきた人生があり、だんだん記憶を無くいていくからといって、それは消えるものではないこと。だから“人の尊厳”を大切にしなければならないし、そのために相手を理解しようと努めることが大切だということ。
◯生徒の考え、感想(一部の抜粋です)
・(マサシがコトコをどなったのはなぜだろう?)笹岡さんの心を無理やりに開かせようとするのでなく、自分の意志で開かせてあげてほしいと思ったから。
・(須藤先生が涙が出そうになった理由は?)コトコの気遣いや優しさ、マサシがコトコに「やめろ。」と言った優しさに感動したから。

※諸事情により、2年生の写真を撮影できませんでした。ご了承ください。

3年道徳「塩むすび」
◯内容項目…思いやり、感謝
◯内容の概略
 東日本大震災から2か月、私は祖母、母と三人で避難所生活をしていた。転校先の学校に通う少し前に母に促されて食事係を担当することになった。片付けだけでもめんどうと思っていて、食事係になってもどう動いて良いか分からず、母に当たっていた。食事係の2日目、調理場では最近残菜が目立ってきたことが話題になった。「明日の朝は塩むすびとみそ汁を出しましょうよ」ということになった。私は心の中では賛成しかねたが、翌朝は当番みんなで塩むすびを握った。私も手を真っ赤にして握った。驚いたことに、おにぎりにしたら子どもや大人が自分から取りに来たりおかわりをする人も増えてきた。また私は、目に見えないところでのおばさんたちの気配りに気づいた。自分の知らなかった世界で、初めて考えさせられたことがあった。新しい学校への不安はあるが、食事係で新しい世界を知った私のように、やってみなければ分からないことだってあるはずだ。温かい塩むすびを作った日以来、朝の残菜はほとんどなくなった。
◯教師の思い
 「本当の意味の思いやり」とは何か?私たちを支えてくれている人の思いやりに、どのように応えていけばよいのだろうか。思いやりにはいろいろな形があることと、とても大事で、今、自分たちを支えてくれている人(保護者)に、どういう思いやりを返していけばよいのかを考えさせたい。
◯「本当の意味の思いやりとは?」についての生徒の考え(一部の抜粋です)
・誰かのためを思って行動すること。
・支えてくれた人に恩返しをする。
・感謝の気持ちをもつ。
・自分から進んで人のために行動すること。
・人のことを思って行動する。

12月11日 3年道徳①12月11日 3年道徳②