2024年4月の記事一覧
4月11日(木)道徳授業の紹介
昨日の授業参観では、全学級が道徳の授業を行いました。おそらく保護者の皆様は、中学生時代に現在の教科としての道徳の体験はされていないことと思います。現在の道徳の授業は「特別の教科 道徳」として2019年度から全面実施が始まりました。教科書が支給されての授業は今年で6年目を迎えます。道徳の授業では22の内容項目を1年間で学習します。→22の内容項目はこちら中学校道徳22の内容項目.jpg
今年1回目の道徳授業は11日(木)に行いました。このHPでは毎回とはいきませんが道徳の授業について、(1)内容の概略、(2)教師の思い・身につけさせたいこと、(3)生徒の考え・感想について授業の写真とともに紹介しています。文章量が多めになりますが、ご覧いただけると幸いです。
1年A組、1・2年SB組道徳「サッカーの漫画を描きたい」
◯内容項目…A主として自分自身に関すること-4希望と勇気、克己と強い意志
◯内容の概略
サッカー漫画「キャプテン翼」の作者、高橋陽一さんのお話。高校3年生で漫画家になろうと決心し、プロの漫画家のアシスタントとして採用された。その仕事を続けながら自分の漫画を描いては出版社に持ち込んだりコンテストに応募しても結果が出なかった。5本目の作品で初めて入選を手にしたが、当時は野球漫画全盛時代で、サッカー漫画はヒットしないといわれていた。デビュー間もない髙橋さんも連載打ち切りの危機が迫りつつあった。締切まで時間のない中、ほとんど書き終えていたキャプテン翼の第4話を描き直し、主人公の翼に「オーバーヘッドキック」の技を披露させたことで人気が徐々に上昇し、漫画家としての自信が生まれた。
キャプテン翼を読んでプロのサッカー選手になる夢をもち実現した選手は日本国内や海外に大勢いる。サッカー漫画を描いてきた私(高橋さん)にとって、これ以上の喜びはない。私も大空翼とともに、これからも努力し続けていきたい。
◯武内教諭(1A担当)の思い、考えさせたいこと
・夢をもつことの大切さ
・目標に向かって希望をもって努力することの大切さ
◯立花教諭(1・2SB担当)の思い、考えさせたいこと
・目標があるから努力できるのだという意識のもと、自分の生活の中で小さな目標を立て、それを達成する経験を積み重ねる態度を身につけさせたい。一言にまとめると「夢や目標をもつことの大切さに気付いてほしい。」
◯生徒の考え、感想(一部の抜粋です)
・努力するためになにかしらこれをやりたい!これが好き!努力は簡単じゃないと思う。わたしも出来てないから。
・努力するためには、あきらめない意識、夢をもつことが必要だと思った。もしも自分が高橋さんの同級生だったら、応援しながら自分は自分の目標を見て歩んでいくと思います。
2年A組、3年SA組道徳「自分の弱さと戦え」
◯内容項目…D主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること-22よりよく生きる喜び
◯内容の概略
車椅子テニスでパラリンピック金メダルを4個獲得し、2023年に世界ランキング1位のまま現役引退した国枝慎吾さんのお話。野球少年だった9歳の時に脊髄の腫瘍のため車椅子の生活となった。11歳で車椅子テニスを始め、パラリンピックに出場するまでになったが、メンタルの弱さが課題だった。そんなときに出会ったオーストラリア人メンタルトレーナーのアン・クインさんから「これからは自分が世界一になりたい、じゃなくて、世界一なんだと言い切る練習をしなさい。」と言われた。選手用レストランで「オレは最強だ!」と叫ぶことを命じられた。このことで何かが吹っ切れた気持ちになり、行動が変わり始めた。そしてジャパンオープン、全米オープンで優勝し、世界ランク1位になった。1位になっても自分自身はまだまだ未熟、もっと自分を鍛え、もっと強くなれると思った。負けが続いた時「自分が弱いんだ。自分の弱さと戦え。本当の対戦相手は自分だということを忘れるな。」と自分を叱っている。
◯髙橋教諭(2A担当)の思い、考えさせたいこと
・「弱さと戦う」がテーマであったが、「弱さ」が悪いものではなく、強さへの一歩として否定せず、向き合うことで自分の力になることを考えさせたい。
◯生徒の考え、感想(一部の抜粋です)
・自分の弱さはたくさんあったけれど、弱さと向きあえるようになってきて、今回の道徳はしっかり考えられることができて良かった。
・自分で思っていてもなかなか動けないことが弱さだと思った。でもその弱さが今後強さに変わる一歩だと思った。
3年A組、3年SA組道徳「風に立つライオン」
◯内容項目…D主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること-22よりよく生きる喜び
◯内容の概略
教科書に掲載されているのは、シンガーソングライターさだまさしの作詞作曲による歌の歌詞。東京に恋人をおいてケニアのナイロビの診療所で患者に向き合う「僕」が、東京の恋人にあてた手紙という設定。「診療所に集まる人々は病気だけれど 少なくとも心は僕より健康なのですよ 僕はやはり来て良かったと思っています 辛くないといえば嘘になるけど しあわせです」そして「空を切り裂いて落下する滝のように 僕はよどみない生命を生きたい キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空 僕は風に向かって立つライオンでありたい」
この詩の後に、主人公のモデルとなった医師の柴田紘一郎さんについて紹介されている。アフリカのケニアの病院で献身的に働いた柴田さんたちの医療支援活動は、現在のケニア医療の発展につながっており、この活動から、さだまさしが想像を膨らませて詩を書き上げた。
◯玉野教諭(3A担当)の思い、考えさせたいこと
・志のために、たくさんの困難を乗り越えて活動している人がいること、その大変さと大切さ
◯佐藤教諭(3SA担当)の思い、考えさせたいこと
・「僕」の生き方をまねするのではなく、よりよく生きようとする考えの根底には何があるのか、何が重要であるのかを考えさせたい。
◯生徒の考え、感想(一部の抜粋です)
・今日やって思ったことは、わざわざ日本からケニアに行き人を助けるという行動にとても感心しました。
・柴田さんは日本に恋人を残してケニアに行きながらも、そのケニアでたくさんの人を元気にしたり、治したりしていてすごいと思いました。そして困難を乗り越えるために必要なことも学べました。